春のおとずれ
だんだんと春の足音が聞こえる季節になってまいりました。
岩殿観音の境内では河津桜が満開になり、一足はやく春のおとずれを感じさせます。
1月8日から始まった緊急事態宣言ももうすぐ解除される見通しでしょうか。岩殿観音では一刻もはやく平穏な日々がもどることを、日夜の勤行で観音さまにお祈りしております。
さて、岩殿観音では、緊急事態宣言のあいだ薬師如来さまの特別開帳を行っておりました。通常であればお薬師さまは寅年にお開帳をするのですが、本年は新型コロナウイルス感染症の早期収束を願い、お正月より特別開帳を行っております。本日は、こちらのお薬師さまについて少しお話したいと思います。
現在お薬師さまは、観音堂にむかって左側の薬師堂に善光寺阿弥陀如来像とともに祀られています。この薬師如来像は江戸の初期ごろの作で、もともとは現在の門前通りにある薬師堂に祀られていたそうです。慶長19年に徳川家康によって朱印地を与えられた際にあわせて五反の土地を寄進され、その地に薬師堂を建て薬師如来を祀ったといいます。その薬師堂ですが、寛永年間に焼失してしまい、現在の場所に移されました。
お薬師さまは、その名のとおり手に薬壺を携えた仏さまです。私たちの病気を癒やし、苦しみから救ってくださります。岩殿観音のお薬師さまは武州七十二薬師の札所にもなっており、来年の寅年にはまたお開帳をする予定となっております。
今年の春は例年より暖かいようで、いつもよりも早く桜が開花することが予想されます。境内の桜の木も、春が本格的にやってくることを、いまか、いまかと待ちわびているようです。
緊急事態宣言が解除されても、いまだ油断をすることはできません。外出の際は手洗いやマスクの着用など感染対策を徹底していただき十分にお気をつけください。
予定では桜の咲く頃には薬師如来のお開帳は終えておりますが、ご来山の際はぜひこちらのお薬師さまにコロナの早期収束をお祈りいただければと思います。