疫病退散しりあぶり柴燈護摩勤修
6月7日14時より「しりあぶり柴燈護摩」を勤修いたしました。坂上田村麻呂の悪竜退治に端を発するこの行事は、悪竜退治から戻った田村麻呂を饅頭で労ったことに由来し、焚いた火で尻をあぶり饅頭を食べることで、厄を払い病気に罹らないというご利益があります。例年では多くの方々にご参加をいただいていたのですが、本年は新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐために、山内僧侶のみが出仕し疫病退散を願う山内行事とさせていただきました。その模様をご紹介いたします。
山内僧侶が山伏の姿に身を包み、ほら貝を吹きながら行道します。岩殿観音は古来より修験道が盛んな山でした。修験道とは、仏教と山岳信仰が融合したもので、山の中で修行をする僧侶を山伏と呼びました。
修験の修法の後に、檀木に点火をします。本年は新型コロナウイルス感染症の影響で出仕僧が限られたため修法を一部省略しましたが、道場内に結界を結び清め、明王や千手観音さまをお呼びするのです。
たちどころに炎が上がり、観音経と般若心経を唱え一心に祈願をします。燃え盛る炎は、私たち衆生の煩悩を燃やし尽くし、疫病退散や無病息災の諸願を千手観音さまへと届けたことでしょう。
いつもであれば、参加いただいた方々に、お尻を炎であぶりながら饅頭を食べる「しりあぶり」をしていただくところですが、本年は新型コロナウイルス感染症の影響で実施を自粛いたしました。
来年度はまた一般の方々にもご参加いただき、お饅頭を食べ尻をあぶる「しりあぶり」を実施する予定です。開催は例年同様6月第一日曜日を予定しております。一刻も早くこの新型コロナウイルス感染症が終息し、平穏な日々が戻りますことを切に祈念しております。 合掌